妊婦中に水疱瘡に!胎児への影響は?危険性と予防について

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妊婦中に水疱瘡にかかったら、お腹の赤ちゃんは大丈夫?

妊婦さんにとって健康管理はとても大切。感染症予防もそのうちの一つです。

今回は妊婦さんが気をつけたい感染症の一つ、水疱瘡についてご説明いたします。

もしも妊婦さんが水疱瘡にかかってしまった場合、お腹の赤ちゃんにはどんな影響があるのか、また妊婦中の水疱瘡予防って、一体どうすればいいのでしょうか。

『妊婦中に水疱瘡に!胎児への影響は?危険性と予防について』

健康な赤ちゃんを迎えるために、今妊娠中の方も、これから妊娠を希望する方も是非読んでくださいね。

妊婦さんが水疱瘡にかかると、なにが危険なの?

成人してからの水疱瘡は重症化しやすい

  • 高熱を伴う
  • 強い痒みを伴う水痘が多量に出現する
  • 妊婦の場合は、これらの症状がさらに重症化し、合併症の危険も!

おとなになってからの水疱瘡は重症化しやすく、40度前後の高熱を伴うため意識もうろうとなる場合もあります。

また、非常に強いかゆみを伴う水痘が顔や全身に現れます。
掻いて水痘を潰してしまうと、完治した後も肌に凸凹が残ってしまいます。これは女性にとってはつらいものです。

妊娠中の場合はこれらの症状がさらに重く発症し、加えて水痘肺炎を合併する可能性も高くなります。
ときには死にも繫がる、妊婦さんにとっては大変危険な感染症の一つです。

お腹の赤ちゃんにはどんな影響があるの?

もしも妊婦さんが水疱瘡にかかってしまった場合、それが妊娠何週目で感染したかによって胎児に出る影響は変わります。

妊娠週によって変わる赤ちゃんへの影響と危険性

  • 妊娠20週目未満で感染した場合
  • 妊娠20週目から分娩21日前までに感染した場合
  • 分娩前後に感染した場合

【妊娠20週目未満で感染した場合】
日本では妊娠20週目未満で水疱瘡に感染しても、赤ちゃんへの危険性は低いと考えられています。

海外では妊娠中期までに母親が水疱瘡に感染した場合、約1~2%の割合で胎児に先天性水痘症候群の発症が見られると報告されています。

先天性水痘症候群は脳萎縮、皮膚のひきつれ、小頭、白内障、低出生体重など、赤ちゃんにとって重大な障害を引き起こすとされていますが、現在の日本ではまだ実例報告がありません。

【妊娠20週目から分娩21日前までに感染した場合】
中期から分娩21日前までに感染した場合、生まれた赤ちゃんのうち9%が水疱瘡にかかったことがないにも関わらず帯状疱疹を発症します

一度水疱瘡にかかった人は、背骨のそばの神経節に水疱瘡・帯状疱疹ウィルスが潜んでいると言われています。

そのウィルスが潜んでいても普段は何事も起こりませんが、極度のストレス状態や高齢化によって体力や免疫力が低下した場合、喉の粘膜や皮膚に帯状のひどい水泡が発症します

強い痛みを伴い、また治療が長期化する場合もあるやっかいな病気です。

通常は水疱瘡にかかったことのない人は、帯状疱疹にはかかることはありません。

それなのに一度も水疱瘡にかかったことのない赤ちゃんが、帯状疱疹で苦しむのです。

これは胎盤を通してお母さんから赤ちゃんにウィルスが感染し、赤ちゃんの神経節で活性化したものだと考えられています。

【分娩前後に感染した場合】
分娩の前後に妊婦さんが水疱瘡にかかると、ウィルスが胎盤を通して赤ちゃんに感染し、約30〜50%の高い割合で新生児水疱瘡を発症します。

赤ちゃんの水疱瘡が比較的軽度で済むか、重症化してしまうかは、お母さんが持つ抗体がお腹の中でどれくらい赤ちゃんに移行したかで決まると言われています。

それは分娩何日前にかかってしまったか、が大いに影響します。

分娩の6日以上前に妊婦さんが水疱瘡を発症した場合、赤ちゃんは生後0日〜4日の間に水疱瘡を発症します。

ですがお母さんの抗体がお腹の赤ちゃんに移行しているため、赤ちゃんは比較的軽い症状で治るようです。

分娩の5日前~分娩後2日までにお母さんが水疱瘡を発症した場合は、赤ちゃんにかかる危険性はグッと大きくなります。

赤ちゃんは生後5日~10日の間に水疱瘡を発症します。
この場合、お母さんの抗体はお腹の中で赤ちゃんに移行していません。

ですので重症化しやすく、肺炎や脳炎を合併するケースもあり、死亡率も30%に登ります。

分娩3日以後にお母さんが水疱瘡を発症した場合
赤ちゃんが生まれた後にお母さんが水疱瘡にかかった場合、赤ちゃんへの危険性はかなり低くなります

胎内で感染した可能性はないと考えられているからです。ですが生まれてから感染する可能性は充分ありますので、赤ちゃんには適切な時期に予防接種を受けさせましょう。

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誰もが気を付けなければいけないの?

水疱瘡は一度かかってしまえば体内に抗体が生じるため、二度とかかることはないと言われています。

日本では全体の約95%が幼少時に水疱瘡を経験するため、ほとんどの妊婦さんは心配はいりません。

しかし、まだかかっていない、かかったかどうかわからないという妊婦さんは要注意です

水疱瘡を予防するには?

妊娠前なら予防接種を受けることができます。しかし水疱瘡の予防接種は生ワクチンですので、接種後1ヶ月は避妊しなければいけません。

当然妊娠中に接種することはできません。では今現在妊娠中の場合は、どんな予防法があるのでしょうか。

水疱瘡を予防するため、妊娠中にできること

  • まずは抗体検査を受けましょう。
  • 感染を避けるために、周りの人達にも協力してもらいましょう。
  • 健康管理に努め、免疫力を落とさないようにしましょう。

【不安解消のために抗体検査を受けましょう】
水疱瘡にかかったことがない、またはかかったかどうかわからない場合は抗体検査を受けるようにしましょう。

検査については産婦人科のドクターにご相談ください。

【感染を避けるためにできることは?】
ご家族や身近な方の中で、まだ水疱瘡にかかっていない人がいる場合はなるべく予防接種を受けてもらうように、協力をお願いしましょう。

水疱瘡は感染力が強い病気なので、人の多い場所へのお出かけはなるべく避けるようにしたいですね。

そして充分な睡眠と、バランスよい食事、散歩などの適度な運動を心がけ、体調を整えましょう。

これは免疫力を下げないために大切なことです。なお、運動はドクターと相談の上、無理のない範囲で行ってください。

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まとめ

いかがでしたか?
1人でも多くの妊婦さんに水疱瘡の危険性について知っていただきたくて、ご説明が少々長くなってしまいました。

実は私も出産直後に水疱瘡にかかってしまい、1週間以上苦しみました。

幸い赤ちゃんには影響はありませんでしたが、妊娠中に知識があれば感染は防げたかもと悔しい思いをしました。

現在妊娠中の方で、水疱瘡について不安がある方は、まずは抗体検査を受けてみてくださいね。

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