『好きな食べ物は何ですか?』と聞かれると『お寿司』と答える人は多いと思います。
最近は外国にもたくさんの日本料理屋さんが進出していて、お寿司は世界各地で親しまれています。
日本の代表食として外国の方々にもとても人気がありますよね。
そんなお寿司の世界には業界用語がたくさんあるのをご存知ですか?
例えば『むらさき』や『あがり』とは何を指しているんでしょう。
皆さんもよく耳にしたことがあると思いますが、なぜそのような言葉が使われるようになったのか気になりますよね。
今回は『むらさきは"しょうゆ"、お茶を"あがり"ってなぜ言うの?その由来とは?』をご紹介したいと思います。
むらさきは"しょうゆ"ってなぜ言うの?
その由来をいくつかご紹介します。
由来その1
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昔、宮中では赤褐色(せきかっしょく)のことを紫と呼んでいました。
小皿に垂らしたしょうゆの色が赤褐色(せきかっしょく)であることから、しょうゆを『むらさき』と呼ぶようになりました。
由来その2
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しょうゆが調味料としてよく使われるようになったのは江戸時代のことです。
しかし当時のしょうゆはとても高価なもので、その値段は塩の8倍ほどもしたそうですよ。
また、昔から紫色は高貴な色とされていて、紫色の染料を使った染物なども非常に高価なものでした。
『高貴なもの』=『紫』というイメージから、しょうゆを『むらさき』と呼ぶようになりました。
由来その3
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しょうゆは大豆を原料として作られます。
その原料として丹波の黒豆を使うと、紫色のしょうゆができたそうです。
このことからしょうゆを『むらさき』と呼ぶようになりました。
由来その4
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かつて筑波山のふもとでたくさんのしょうゆが生産されていました。
そんなしょうゆの産地である筑波山は紫峰(しほう)という別名で呼ばれていたことから、しょうゆを『むらさき』と呼ぶようになりました。
お茶を"あがり"ってなぜ言うの?
もともとは花柳界(芸者や遊女がいる所)から来た言葉だそうですが、その由来にもいくつかの説があります。
由来その1
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お店ではお客さんが出入りするときに必ずお茶を出していたのですが、いちばん最初に出すお茶を『お出花』、いちばん最後に出すお茶を『上がり花』と呼んでいました。
このことからお茶を『あがり』と呼ぶようになりました。
由来その2
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演芸の最後のお囃子や、すごろくのゴールのことも『あがり』と呼ばれていて、その時に多くのお店で番茶や粉茶が出されていたことから、お茶を『あがり』と呼ぶようになりました。
由来その3
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花柳界ではその日に売れ残った芸者がお茶を挽くことになっていました。
そこでお呼びがかかると『おあがりさん』と言って、その芸者は座敷へと上がっていきました。
お茶は売れ残りを指したり、『お茶を挽く』→『引く』などイメージの悪い印象があったので、逆に縁起を担ぐ意味をこめて、『あがり』と呼ぶようになりました。
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さいごに
他にも寿司の材料のことを『ネタ』、生姜のことを『ガリ』、わさびのことを『ナミダ』、皮が光っている魚のことを『光り物』、ネタをしょうゆに漬けこんだ物を『づけ』と言うなど、たくさんの寿司業界用語があります。
しかし、これらの用語は本来お店の職人さんが使うもので、お客さんが使うものではないそうです。
例えばお店の大将が従業員へ『お客さんへあがり一丁お願い!』という使い方をします。
なので、お寿司を食べ終わった後に『すみません、あがりお願いします』なんて言うと、あまりいい気分がしない職人さんもいるということなので、気をつけなければいけませんね。
言葉の意味だけではなく、これらの由来も知っておくと、今まで普通に食べていたお寿司が一層おいしくなりそうですね。
家族や仲間同士でお寿司を食べる時も、お寿司の業界用語について話題が広がりきっと盛り上がりますよ!