毎年2月~3月頃、ニュースで『今日は春一番が吹きました』というニュースを耳にしますよね。
テレビの画面ではコートやスカートを抑えながら、前かがみで道を歩く人の姿がよく映し出されています。
春一番という言葉からは、暖かな気持ちい風をイメージしがちですが、実際はとても強い風なんですね。
ところでこの春一番、どうしてこのような名前がついたのか、具体的にどれぐらい強い風なのかご存知ですか?
春一番には様々な条件があるんですよ。
今回は『春一番とは?定義、意味、風速はどのくらい?いつからいつまでに吹くの?』についてご紹介します。
春一番の意味と条件
春一番とは日本各地で観測され、地域によって多少の違いがあるようですが、以下の条件を満たしたものをいいます。
春一番はいつからいつまで?
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立春(2月4日)から春分(3月20日or21日)の間に吹きます。
1日でもずれると春一番とは呼ばれないんですよ。
春一番の風速
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最大風速が8.0m/s以上の風と定義されています。
これは台風情報などで良く聞く最大瞬間風速とは違って、10分間の平均で出す最大風速なのです。
例えば『8.0m/s前後の風が10分間吹き続け、平均してみると8.0m/sであった』という意味です。
春一番の風向き
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東南東から西南西の風。
わかりやすく言うと、南寄りの強風ということです。
春一番が吹く原因
この時期になぜ春一番が吹くのかというと、日本海で温帯低気圧が発達しやすくなるからです。
これにより、太平洋側の高気圧から日本海側の低気圧へ向かって、暖かく強い風が吹き込みやすい状態になります。
春一番の由来
1859年3月17日、長崎県五島沖に漁に出ていた53名の漁師が、春の強風に遭い全員遭難するという事故がありました。
その後、この時期に初めて吹く強い風を長崎地方で『春一番』と呼ぶようになったのが始まりだと言われています。
春一番がよく吹く地域や時期
春一番は毎年全国的に吹くというわけではありません。
吹きやすい地域やあまり吹かない地域、その確率などをご紹介します。
春一番がよく吹く地域とその確率
- 北陸地方・・・93%
- 関東地方・・・82%
- 九州北部地方・・・71%
- 中国地方・・・61%
春一番が2年に1回の割合で吹く地域とその確率
- 近畿地方・・・54%
- 四国地方・・・50%
- 九州南部地方・・・49%
春一番があまり吹かない地域とその確率
- 東海地方・・・43%
春一番が吹かない地域
- 沖縄・・・日本海に温帯低気圧が発生しても、それほど強い風が吹かない
- 山梨・・・盆地になっているため、強い風が吹かない
- 東北・北海道・・・春一番のような強い風が吹いても、その後まだ厳しい寒さが続く
春一番がよく吹く時期
- 暖冬の年・・・2月中旬ごろ
- 寒冬の年・・・3月に入ってから
暖冬だった2007年、2009年、2016年(近畿・九州は除く)は2月13日と14日に吹きました。
寒冬だった1996年、2006年、2013年、2014年は3月に入ってから吹きました。
2017年の春一番予想
2017年の気温は平年並みで、3月に入ると平年並みか暖かい日が多いとの予想なので、今年の春一番は2月中に吹く可能性が高いとされています。
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さいごに
春一番には細かい条件がいろいろとあるんですね。
そのため、この時期に強い風が吹いたとしても、条件を満たしていなければ春一番だと観測されないこともあります。
春一番が吹いた日は、たいてい気温が上昇するそうですが、その次の日はまた寒さが戻ることが多くなり、体調を崩しやすくなります。
また、春一番が吹いた日以降は、強い風が吹くことが多くなるとのことで、強風による転倒や、飛んできた物に当たって怪我をするなどの事故も増えるので十分に気を付けてくださいね。