『夏も近づく八十八夜~』小さい頃にこの歌を歌いながら、友だちと手遊びをしたことがありませんか?
昭和生まれの方ならよくご存じだと思う茶摘みの歌です。
ところで八十八夜って具体的にいつのことなんだろう?
八十八夜といえばお茶摘みだけど、どういう関係があるのかな?
これらの意味まで知っている人はあまりいらっしゃらないのではないでしょうか。
日本ならではの八十八夜、ぜひ現代の子どもたちにも教えてあげたいですよね。
今回は『八十八夜の意味とは?夏も近づく〜お茶摘みの関係知ってますか?』についてご紹介します。
八十八夜の意味とは?
八十八夜とは雑節(ざっせつ)の一つで、立春から数えて88日目のことを指します。
雑節というのは、中国から伝わった二十四節季(にじゅうしせっき)を補うために考えられた日本独自の暦なんです。
他に有名な雑節といえば、土用や彼岸といったものがあります。
八十八夜の数日後には立夏が訪れ、まさに『夏も近づく日』と言われているんですね。
八十八夜は春から夏へと移り変わる節目となる日なのです。
2017年の八十八夜はいつ?
2017年の立春は2月4日なので、その日から数えて88日目となる八十八夜は5月2日です。
立春はその年によって日にちが少し違うので、八十八夜も変わってきます。
『夜』という字がついていますが、その日の夜を指すのではなく一日全体のことを指します。
この『夜』という字は、中国発祥である月の満ち欠けをもとにした太陰暦の名残だと言われています。
八十八夜は農家にとって特別な日
『八十八夜の別れ霜』という言葉を聞いたことはありませんか?
これは、八十八夜の頃には霜が発生しにくくなり気候が安定してくるということを意味しています。
作物の苗を植えたり、種をまいたりする目安となるのが八十八夜で、農家にとっては特別な日なんです。
今でも八十八夜には農作業開始を祝う行事などを行う地域があるそうです。
また『八十八夜の泣き霜』という言葉もあります。
これは、立夏を過ぎたころに急に気温が下がったり霜が降りたりして、せっかく芽を出して成長し始めた作物に被害を及ぼすこともあり、『油断はできない』と農家の人たちへ注意を促す意味があります。
八十八夜とお茶摘みの関係
歌にもあるように、八十八夜と言えばお茶摘みをすぐに連想しますよね。
日本では年に3回お茶摘みをします。
- ①4月下旬~5月下旬・・・一番茶
- ②6月下旬~7月下旬・・・二番茶
- ③8月下旬・・・三番茶
そうです!八十八夜はちょうど一番茶を摘む時期なんです。
冬から春にかけて栄養をたっぷり含んだ美味しいお茶の新芽が伸びてくる、お茶が苦手とする霜も減ってくるということで、八十八夜はお茶摘みに最適な時期なのです。
実際には地域によってお茶摘みの時期も多少違ってくるのですが、関西地方では八十八夜がお茶摘みのベストシーズンで、寒い地域ではそれより遅れて始まるところもあるようです。
八十八夜に摘んだお茶は不老長寿の効果が!
いわゆる新茶と呼ばれる一番茶は、カテキンなどの栄養価や、テアニンといううま味成分が豊富で『不老長寿』の飲み物として、昔から言い伝えられてきました。
新茶の効果
- リラックス効果
- 集中力アップ
- 脂肪燃焼効果
- 抗酸化作用
- 風邪やアレルギー予防の効果
- 生活習慣病予防の効果
香りも良い新茶は、身体にとっても優しいお茶なんですね。
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おわりに
昔から季節の変わり目や、節目節目を大切にしてきた日本。八十八夜もその一つなんですね。
お茶や農作物以外にも、瀬戸内海地方では大漁の目安の日として、沖縄ではトビウオ漁が開始される目安の日として、八十八夜は漁業でも大切な日とされているそうです。
八十八夜の意味やお茶摘みの関係、お茶の効果などについて、ぜひご家族・お友達と一緒に話しながらお茶を飲んでみてくださいね。