お見舞いには守らなければいけないマナーや、気を付けたいポイントが意外にたくさんあります。
大切なのは見舞う心です。しかしマナーを無視したお見舞いは、せっかくの心が伝わらないだけでなく、入院先の病院にも迷惑をかけてしまいます。
大人なら知っておきたい『入院見舞いで必要なマナー、見舞い品や金額相場をチェックしましょう』についてまとめました。
入院しているご本人やご家族に喜ばれるお見舞いができるように、覚えておいていただきたいチェックポイントが満載です。
お見舞いの基本的マナー3つ
- まず都合を伺ってから
- 食事時を避け、早めに切り上げる
- 服装や訪問人数にも配慮を
【まず都合を伺ってから】
検査や治療スケジュール、容態によってはお見舞いがご迷惑になる場合があります。
女性の場合は、素顔や寝間着姿を見られることに抵抗がある方もおられます。
入院したと連絡を受けたら、連絡先がわかるならご家族に、そうでない場合は病院に容態や状況を尋ね、お見舞いに伺ってもいいかどうか確認しましょう。
出産で入院している場合は、ごく近しい親族以外はお見舞いは遠慮するのがマナーです。
【食事時を避け、早めに切り上げる】
医療機関ごとに面会可能時間は異なります。まず面会可能時間を確認して、さらに食事時間にぶつからないように気をつけてお見舞いに伺いましょう。
お見舞い品やお見舞金は早めのタイミングで手渡します。
様態は軽く尋ねる程度にとどめ、1日も早い回復を願っていることを伝えましょう。過度な励ましや、悲観的な話はNGです。
入院患者さんは、元気そうに見えても疲れています。長くても20分程度でおいとまを。
【服装や訪問人数にも配慮を】
常識範囲の服装であれば、普段通りで問題ありません。ですが黒ずくめの服装は、ファッションであってもお見舞いには不適切です。
他の患者さんやご家族、病院スタッフの迷惑にならないよう個室、相部屋を問わず、お見舞いには多くても3人程度で。
注意!こんなときはどうする?
ビジネス上のお付き合いでお見舞いに伺う場合のマナー
特に地位の高い方の場合は、失礼のない服装で、2~3人で伺うのがマナーです。
上司など信頼できる人に相談し、適切な同伴者と共にお見舞いに伺いましょう。
相手が眠っていたり、検査などで部屋にいなかった場合は?
付き添いのご家族やナースステーションにご挨拶をして、お見舞い品を預かってもらい、おいとましましょう。
注意!
ナースステーションに預けてもよいのは品物のみです。
お見舞金は後日改めて、ご本人かご家族にお渡ししましょう。
現金をナースステーションに預けると、思わぬトラブルを招く場合があります。
ナースは誠実に働いている方ばかりですが、病院にはいろいろな人々が出入りしていることを忘れないようにしたいですね。
お見舞金のマナー
お見舞金額の相場
- 親族…5,000円~10,000円
- 友人、知人…3,000円~1,0000円お付き合いの程度に応じて
- 仕事関係者など…3,000円~5,000円
職場、学校、自治体などで規定がある場合は、それに従います。
準備するもの
【「御見舞」または「お見舞」と書かれた祝儀袋】
無地の祝儀袋に自分で書いても構いませんが、必ず結び切りの水引で。(トップ写真をご参照ください。)
パステルカラーやイラスト入りなどの可愛いお見舞い用祝儀袋も市販されていますね。
ですが、ごく親しい間柄でない相手以外は、ベーシックな祝儀袋でお渡しするのがマナーです。
【お札は新札でなくても問題なし】
あまりにもシワシワだったり、破れているお札はいけませんが、あり合わせのお札でも失礼にはなりません。
お見舞金のNG
- 目上の方に現金を渡すことは、マナー違い
- 花結びの水引、不祝儀袋(白黒の水引)は絶対にダメ
- 4(死),6(無に還る),9(苦)の数字は避ける
お見舞いの気持ちは品物で表しましょう。
花結び(蝶結び)の水引は「何度も繰り返す」、白黒の水引は「不幸」を意味するので、絶対に使用しないでください。
お金を包む場合は、これらの忌み数字を避けて金額を決めましょう。
数人でお金を集める場合も、1人当たりの金額と合計額(お渡しする金額)が、忌み数字にならないよう気をつけなければいけません。
お見舞い品のマナー
お見舞金の相場に準じた価格の品物を贈るのが無難です。
【定番のお見舞い品】
小ぶりのアレンジメントフラワーやプリザーブドフラワー、お菓子や果物(食事制限がない場合)など。
【人気のお見舞い品】
相手の好みに合わせた本や雑誌、CD、ゲームソフトなどは、暇つぶしや気分転換したいときに喜ばれているようです。
【生花を贈るときは注意が必要】
- ラベンダー、百合など香りの強い花はNG
- 植木鉢…「根付く=寝付く」で印象がよくありません
- シクラメン…死、苦、と縁起の悪い言葉が重なります
- 真っ赤な花…血を連想させるので印象がよくありません。
- 椿…花びらが1枚ずつ落ちるのではなく、花そのものがポトリと落ちるので不吉だと感じる人も
- 菊…お葬式のイメージ
- あじさい…花の色あせが、お見舞いでは嫌がられることも。
衛生上、生花の持ち込みを禁止している病院もあります。お花を贈ろうと考えている場合は、事前に病院に確認しておきましょう。
切り花は、病室に花瓶がなければ迷惑になってしまいます。
ですが保水効果の高いペーパーを仕込んで、数日間は水不要で咲き続ける切り花ブーケを作ってくれる花屋さんもあるようです。
花屋さんでは、お見舞いであることを伝え、適切な花束を作ってもらいましょう。
お見舞いには不向きな品物
- パジャマ、寝間着
- 大きな花束や花かご、果物カゴなど
- 匂いの強い食べ物や、生もの
喜ばれる場合もありますが、寝付くイメージを持たれる場合もあります。避けたほうが無難でしょう。
置き場所に困ることも。サイドテーブルに無理なく乗せられる大きさのものを選びましょう。
キムチなど匂いの強い食べ物や、お刺身などの生ものは、ご本人の好物であってもお見舞いには不向きです。
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気持ちが伝わるお見舞いは、マナーを知ることから
お見舞いで一番大切なのは、回復を願う気持ちです。
ですが、マナーを知って失礼のないお見舞いを心がけてこそ気持ちも伝わるものなのだな、と感じました。