夏になると特に様々な食中毒のニュースを耳にするようになりますが、みなさんはウェルシュ菌というのを聞いたことがありますか?
ウェルシュ菌はカレーに発生しやすく、学校や幼稚園などの給食や飲食店などでウェルシュ菌による食中毒が発生したというニュースが最近話題になりました。
カレーってしっかり温めてるのに、どうしてウェルシュ菌食中毒が起こるのでしょう。
カレー以外の食べ物にもウェルシュ菌は発生するのでしょうか。
今回は『ウェルシュ菌の対策は?カレー以外でも発生する食べ物とは?』についてご紹介します。
カレーに発生しやすいウェルシュ菌の特徴
子どもから大人に大人気のカレー。特に一晩寝かせたカレーは、じっくりと味が染みてさらにおいしくなりますよね。
しかし、その一晩寝かせたカレーにはウェルシュ菌が増殖しているんです!
ウェルシュ菌というのは人や動物の腸内・土壌・水中に存在しているので、土壌の中で育ったジャガイモ・ニンジン・玉ねぎや、豚肉・牛肉・鶏肉・魚からも検出されます。
ウェルシュ菌の最大の特徴は熱に強いということです。
一般的に食中毒の原因となる菌は、75℃以上で1分以上加熱すれば死滅するものが多いのですが、ウェルシュ菌は100℃で4時間以上加熱しても死なないのです!
なので、一度増殖してしまったウェルシュ菌はそう簡単に減らすことができないんですよ。
また、ウェルシュ菌は酸素を嫌うという性質があります。
深い鍋などで大量に作る煮込み料理は、空気がなくなるのでウェルシュ菌が増殖しやすい環境となります。
それで、学校や飲食店などでの集団感染が起こりやすくなるんですね。
ウェルシュ菌に感染すると?
ウェルシュ菌に感染すると、6時間~18時間の潜伏期間があるそうですが、だいたい12時間以内に発症することが多く、18時間を過ぎると発症せずに治ることもあります。
症状は軽度の腹痛と水様性の下痢が1日ほどあり、嘔吐や発熱はなく、食中毒の中でも比較的軽いと言われています。
しかし、まれに血便を伴う下痢があったり、下痢による脱水症状を起こしたりすることがあるので、小さい子どもさんやお年寄りは特に注意が必要です。
空気感染はしませんが、感染した人の便や嘔吐物に触れることで感染します。
ウェルシュ菌の感染を防ぐための対策
熱に非常に強いウェルシュ菌ですが、ウェルシュ菌が持つ有毒な毒素は加熱により無毒にできると言われています。
それと空気を嫌うという性質をよく理解して、ウェルシュ菌への感染を防ぎましょう。
ウェルシュ菌の対策
- 残ったものを次の日に食べる場合は、60℃以上で10分以上しっかり加熱する。
- 加熱する場合は電子レンジではなく、鍋を火にかけてしっかりかき混ぜながら空気に触れるようにする。
- 大量に作ったものは、深めのビンなどは避け底の浅い容器に入れて小分けし、冷凍または冷蔵保存しておく。
- できるだけ食べ残しがないよう、早めに食べてしまう。
- 調理前・食事前の手洗いを徹底する。
カレー以外でウェルシュ菌が発生しやすい食べ物
ウェルシュ菌はカレー以外でも、深い鍋などでコトコト煮込む料理に発生しやすくなります。
ウェルシュ菌が発生しやすい料理
- シチュー
- スープ
- 肉じゃが
- 魚の煮物
- おでん
このような煮物を調理をするときは、よく混ぜながら空気に触れさせることがポイントですね。
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まとめ
ウェルシュ菌は熱に非常に強くて死滅させるのは難しいですが、加熱することで有毒な毒素は無毒になることや、酸素を嫌うのでよくかき混ぜて空気に触れさせることで、対策ができますね。
みなさんもウェルシュ菌の特徴や対策をしっかりと覚えておいて、これからの季節は特に気を付けて実践してください。
これらの対策をきちんと行えば、ウェルシュ菌以外の食中毒対策にもなりますよ!