「冬脱水」ってちょっと耳慣れない言葉ですよね。脱水症状といえば夏のイメージが強いですが、実は夏よりも冬の脱水のほうが危険なんです。
空気が乾燥しがちな冬は、人の体内も水分不足になりがちです。赤ちゃんや高齢者の方には、特に注意が必要です。
なぜ赤ちゃんや高齢者は冬脱水を起こしやすいのか、何が危険なのかを『冬脱水は夏脱水よりも危険だった!赤ちゃんや高齢者は特に要注意!予防方法をしっかり知りましょう』と題してわかりやすくまとめました。
脱水の予防法は、夏と冬とでは違うことにもご注目ください。
冬脱水ってどんな症状?なぜ冬に脱水症状になるの?
冬脱水はこう進行する
- 第1段階 喉の渇きやネバつき、肌の乾燥
- 第2段階 倦怠感、食欲低下、立ちくらみ
- 第3段階 頭痛、吐き気
- 最悪、死に至る場合も!
脱水は、夏も冬も症状はよく似ています。ではなぜ冬脱水は夏の脱水より危険だと言われるのでしょうか。
理由その1 冬は風邪、インフルエンザ、ノロウィルスなどが流行しやすい
毎年のように流行するインフルエンザや風邪は発熱や咳などで体力を消耗します。
ノロウィルスやロタウィルスは下痢や嘔吐など、体内の水分を激しく失う症状が起こりやすい感染症です。
これらの病気が蔓延しやすいことが、冬こそ脱水症状に気をつけてほしい理由の1つです。
また、冬は夏に比べて水分補給への意識が低くなりがちです。しかしそれが脱水を招く原因でもあるのです。
赤ちゃんや高齢者が特に危険だと言われるのはナゼ?
赤ちゃんの冬脱水はココに注意
赤ちゃんの体内水分量は新生児で約80%、1才児で約65%と、大人に比べて高くなっています。
つまり赤ちゃんは大人よりも大量の水分が必要なのです。
ところが赤ちゃんは代謝がよく、冬でも汗をよくかきます。風邪を引かせてはいけないと暖かい服を着せたり毛布をかけることで、さらに汗をかきやすくなります。
寒さ対策が仇となり、気付かないうちに脱水症状が進行している危険性があるのです。
赤ちゃんはまだ病気への抵抗力が低いため、上で述べたような感染症にかかりやすいことも、冬の脱水を引き起こす原因となっています。
こんな様子が見られれば、冬脱水を疑って
- ミルクや離乳食を欲しがらない
- 泣いているとき、いつもより涙の粒が小さいか、量が少ない
- オシッコの量がいつもより少なく、色が濃い
- ウンチがいつもより固い
- 鼻の中が乾いてカサカサしている
- 舌が白い苔で覆われている
これらの症状が見られたときは、できるだけすぐに医師に相談してください。
高齢者が冬脱水にかかりやすいわけは?
高齢者は喉の乾きを気づきにくいか、わかっていてもあまり気にしない方も多く、体内水分の減少を招きやすいようです。
食事量の減少や、運動の機会の少なさから水分補給するタイミングがないという高齢者も少なくありません。
体調不良もつい我慢してしまい、周囲が気づいたときには脱水がかなり進んでいたというケースも。
冬に心筋梗塞や脳梗塞を発症する人が多いのは、寒さによって血管が急激に収縮するからだと考えられていました。
ですが最近の研究で、実は体内の乾燥による脱水症状がその原因の1つだと考えられるようになったのです。
身近な高齢者の方にはこまめに水分補給を呼びかけ、体力と免疫力を高めるためにも運動をお勧めしましょう。
冬脱水の予防方法は?
簡単で効果的な予防法2つ
- 部屋を加湿する
- 食べ物で水分補給
【部屋を加湿する】
加湿器を使う、ストーブにやかんや鍋をかける、洗濯物を室内干しする、濡れたタオルをかけておく、などの方法で部屋の乾燥を防ぎましょう。
【食べ物で水分補給】
冬に飲みたい暖かいお茶やコーヒーは利尿作用があり、水分補給の観点からはベストとは言えません。
かと言ってナトリウムを含んだスポーツドリンクは冬には寒い…。
冬の水分は、旬の食物で補給するという方法があります。
リンゴやみかんなどの冬の果物は水分が豊富な上、ビタミンなどのミネラルが豊富です。
白菜、大根などの淡色野菜をたっぷり使った鍋料理は、水分補給と身体を温める作用の一石二鳥も狙えます。
お白湯にレモン汁を数滴落とした、ホットレモンドリンクもお勧めです。酸味が苦手なら、そこへはちみつを垂らすと飲みやすくなります。
赤ちゃんには月齢に応じて果汁やすり潰しで、高齢者には適度に柔らかい果物や料理法を選んで、美味しく水分補給していきましょう。
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今冬からは、冷え予防に加えて脱水予防も心がけましょう
冬は身体を冷やさないことに注意が向きがちですが、水分補給も大切だったんですね。
赤ちゃんや高齢者には特に注意が必要だということも、おわかり頂けたのではないでしょうか。
夏の記事ではありますが、以下の記事もご参照ください。水分補給のコツなど脱水症対策がまとめられています。
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