痒みの強い、プクリと盛り上がった水泡(水ぶくれ)。これは水ぼうそう?それともとびひ?
水ぼうそうと、とびひは一見よく似ていますが、その原因も対処法も全く違います。
うっかり対処法を間違うと、症状がひどくなったり人に伝染してしまう危険もあるのです。
違いを正しく見分けて的確に対処できるよう、『水ぼうそう(水疱瘡)からとびひになってしまった!水疱瘡ととびひの違いとは?』についてまとめました。
違いがわかるようにわかりやすく解説してますので、とびひと水ぼうそうの違いについてご覧くださいね。
水ぼうそうと、とびひはココが違う
水ぼうそうもとびひも、顔や体に痒みの強い水泡(水ぶくれ)が発生するという点で、大変よく似ています。
ではこの2つは、一体何が違うのでしょうか。
水ぼうそうととびひの違いはこれ!
- 発症する過程が違う
- 水ぶくれ以外の症状があるかないか
- 対処法が違う
- 体内に抗体が生じるかどうか
【発症する過程が違う】
・水ぼうそうはウィルス性の伝染病
水痘帯状疱疹ウイルスと呼ばれるウイルスに感染することで発症する、大変感染力の強い病気です。
まず顔や体に赤い発疹が発生します。発疹はすぐに水泡(水ぶくれ)に変わり、強いかゆみを伴います。
空気感染、飛沫感染、接触感染で伝染ることが確認されています。
水ぼうそう患者と同じ部屋にいるだけで伝染る可能性があるため、幼稚園や保育所、学校は出席停止となります。
大人の場合も、完治するまでは外出するべきではありません。
まだ水ぼうそうに掛かっていない家族がいる場合、自宅ではなるべく自室とトイレの往復だけに努め、伝染さないよう配慮する必要があります。
・とびひは化膿性の皮膚疾患
虫刺され、汗疹(あせも)、日焼けなどで痒みを感じて引っ掻くと、その傷から黄色ブドウ球菌や溶連菌などが侵入することがあります。
これがとびひの原因です。
潰れた水泡から流れ出た液体に接触すると、触れた皮膚に新たに水疱が発症し、患部が広がってゆきます。
細菌の潜んだ液体に触れることで感染する接触感染ですので、とびひに掛かった人と同じ部屋にいるだけでは伝染ることはありません。
【水ぶくれ以外の症状があるかないか】
ある⇒水ぼうそう
水泡と平行して発熱や頭痛、食欲不振などの症状が現れます。
ない⇒とびひ
稀に発熱を伴うことがありますが、水泡以外の症状が現れることはほとんどありません。
【それぞれの対処法は?】
水ぼうそう⇒すぐに内科へ
解熱鎮痛剤、かゆみ止めなどを処方される場合が多いです。
とにかく安静に、水分と栄養分をよく摂りましょう。
水泡を掻いて潰したり、かさぶたを剥がすと皮膚が凹み、生涯治ることはありません。
とびひ⇒できれば皮膚科で診察を
そのまま静かに放置しておけば、大抵は一週間程度で治ります。
しかし早めの完治を望むなら皮膚科で診察を受けましょう。
子供の場合は皮膚科、小児科どちらでも問題ありません。
診察後に抗菌作用のある塗り薬と、抗生物質が処方されることが多いです。
安静は必要ありませんが、掻き壊すと跡が茶色く残り、なかなか消えません。水泡には触らないようにしましょう。
【体内に抗体が生じるかどうか】
・水ぼうそう⇒抗体が生じる
一度かかると体内に抗体が生じるので、二度と掛かることはありません。
・とびひ⇒抗体は生じない
体内に抗体は生じませんので、一生のうちに何度でも掛かります。
予防法に違いは?
・水ぼうそう⇒予防接種
予防接種を受けると、その後20年間は体内に抗体が存在すると言われています。
その20年の間に水ぼうそうに感染したとしても、症状を比較的軽く抑えることができます。
子供には必ず水ぼうそうの予防接種を受けさせましょう。
成人が掛かると重症化することが多いので、子供の頃に掛かったことがない、又はかかったかどうかわからない人は予防接種を受けましょう。
・とびひ⇒清潔を心がけて
手洗い、爪切りはマメに行いましょう。汗をかいたらシャワーやお風呂で肌を清潔に保ってください。
虫に刺されたりカブレたりした場合は薬を塗り、ガーゼや絆創膏などで保護して掻きむしらないように注意しましょう。
鼻の下が感染する場合もありますので、鼻をかむときは優しく。子供が鼻の穴に指を入れないように気を付けてあげてください。
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判断に迷ったら医師の診察を
水ぼうそうと、とびひの症状と対処法の違いをご説明しました。
この発疹や水疱は水ぼうそうかな、と思ったらすぐに医師の診察を受けてください。
とびひはごく稀ではありますが、腎障害や敗血症などの合併症を引き起こすことがあります。
治りにくいとびひや、判断に迷った場合は医師の診断を仰ぐようにしてくださいね。